1. ベースロード電源としての役割と脱炭素への貢献
原子力発電は、天候に左右されず安定的に電力を供給できる「ベースロード電源」としての特性を持っています。これは、再生可能エネルギーの導入が進む中で、電力系統全体の安定性を保つ上で不可欠な要素です。
また、発電時にCO2を排出しないため、地球温暖化対策としても極めて重要な役割を担っています。2050年カーボンニュートラル目標の達成に向けて、原子力発電の活用は避けて通れない選択肢の一つとされています。
2. 再稼働の現状と課題
前述の通り、2030年に向けて約30基の原子力発電所の稼働が目標とされている一方で、2023年6月時点での稼働基数は10基に留まっています。これは、東京電力福島第一原子力発電所事故以降の新規制基準への適合審査に時間を要していること、そして地域住民の理解を得るためのプロセスに時間を要していることなどが主な要因です。
しかし、エネルギーの安定供給と電気料金の高騰抑制、そして脱炭素化の観点から、政府は引き続き原子力発電所の再稼働を推進する方針を示しています。
