「転勤なし」「出張なし」で働くプラントエンジニアのメリット・デメリット｜理想の働き方とは

プラントエンジニアの仕事は、その性質上、プラントが建設されている現地に赴く機会が多くなります。そのため、「転勤」や「出張」は職種柄つきものだと認識されています。しかし、この二つには厳密な違いがあり、あなたの人生設計を考える上でどちらが適しているかを理解することが重要です。

• 転勤とは
  従来の勤務地から勤務先が変更になり、それに伴って住居の変更を伴う異動のことです。長期的な居住地の変更を意味するため、家族構成やライフプランに大きな影響を与える可能性があります。
• 出張とは
  住居は維持したまま、業務のために一定期間、滞在先で仕事を行うことです。数日から数週間、場合によっては数ヶ月に及ぶこともありますが、基本的に自宅に戻ることを前提としています。

特に、人生設計を考える上で住居の変更が難しい場合、転勤のある求人はベストな選択肢とはなりにくいでしょう。

プラントエンジニアが活躍する業界は、大きく分けて以下の2つに分類できます。それぞれで「転勤」と「出張」の傾向が異なります。

1. プラントユーザー側（化学・鉄鋼・医薬メーカー、電力・ガス業界など）

プラントを実際に保有・運用している企業を指します。

• 転勤
  EPC業界に比べて転勤が多い傾向にあります。これは、全国に点在する工場や事業所間で人員配置を行うためです。
• 出張
  比較的少ない傾向にありますが、トラブル対応や新規プロジェクトの立ち上げなどで一時的に発生することもあります。

2. プラントエンジニアリング業界（EPC：設計・調達・建設）

プラントの設計から建設までを一貫して請け負う専門企業を指します。

• 転勤
  プラントユーザー側に比べて転勤は少ない傾向にあります。プロジェクトごとにチームが編成され、プロジェクト終了後は次のプロジェクトへ移るため、拠点が変わることはあっても住居を伴う転勤は限定的です。
• 出張
  非常に多い傾向にあります。国内外のプラント建設現場への長期出張や、サプライヤーとの打ち合わせ、客先との交渉などで、頻繁に滞在先へ赴くことになります。

企業規模、職種、採用区分（総合職、専門職など）によっても転勤や出張の頻度は大きく変わってきます。そのため、自身の中で明確な人生設計のイメージがあれば、それにマッチする求人をリサーチすることが非常に重要です。

1. 自身のキャリアプラン・ライフプランを明確にする

• 「転勤は絶対に避けたい」「出張なら許容できる」など、どのような働き方を希望するのか具体的に整理しましょう。
• 家族構成や将来の計画（子育て、介護など）も考慮に入れ、長期的な視点で考えることが大切です。

2. 求人情報を徹底的にリサーチする

• 求人票の「勤務地」「転勤の有無」「出張の頻度」などの項目を注意深く確認しましょう。
• 「転勤なし」と明記されていなくても、「地域限定職」や「専門職」といった採用区分であれば、転勤のリスクを抑えられる可能性があります。
• プラントユーザー側であれば、特定の事業所での採用に限定されている求人を探すのも一つの手です。

3. エージェントを活用し、非公開求人や企業情報を得る

• ハイクラスのプラント業界に特化した転職エージェントは、一般には公開されていない非公開求人を多数保有しています。
• エージェントは企業の内部事情にも詳しいため、求人票だけでは読み取れない「実際の転勤・出張の頻度」や「部署ごとの働き方の違い」など、詳細な情報を得ることができます。あなたの希望に合った求人を提案してもらうことも可能です。

4. 面接で具体的に質問する

• 転職後のギャップを避けるためにも、面接の場で転勤や出張に関する具体的な質問をすることは非常に重要です。「転勤の頻度や期間」「出張の平均期間」「部署ごとの働き方の違い」など、疑問点はすべて解消しておきましょう。
• ただし、質問の仕方によっては入社意欲がないと判断される可能性もあるため、質問の意図を明確に伝え、ポジティブな姿勢で臨むことが大切です。

プラントエンジニアとして、「転勤なし」「出張なし」という働き方をどちらも完全に実現することは、極めて困難なのが現状です。しかし、自身のライフプランに沿って、いずれかを選択するなどして転勤か出張を最小限に抑える働き方を探すことは十分に可能です。

そのためには、まずあなたの希望を明確にし、情報収集を徹底することが重要です。特に、ハイクラスの転職を検討されているのであれば、専門の転職エージェントを最大限に活用して各社の実態の情報を聞くことも有効です。あなたの理想に近づく最適なキャリアパスを築いていきましょう。