ミドル層以上の転職はチャンスが広がっている一方で、若手とは異なる視点での注意点も存在します。
1. 求人数の傾向
キャリアと年齢を重ねる分、求人の絶対数は若手募集の求人よりも少なくなる傾向にあります。これは、特定の経験やスキル、役職を求めるピンポイントな採用が多いためです。
2. 資格・経験社数の重要性
これまでの経験に加え、保有する資格(例:技術士、各種施工管理技士など)や、プロジェクトマネジメント経験の有無は、あなたの専門性と信頼性を客観的に示す指標となります。また、経験社数が多い場合は、その理由をポジティブに説明できるよう準備しておきましょう。
3. 希望条件の優先順位
転職活動において、給与、働き方(ワークライフバランス)、業務内容(やりがい、専門性)など、何を最も重視するかによって、応募できる案件の有無や成功確率は大きく異なります。
- 給与重視の場合
高い給与水準を維持・向上させるためには、特定の専門性やマネジメント経験が求められるケースが多いです。
- 働き方重視の場合
フレックスタイム制やリモートワークの可能性、残業の少なさなどを優先する場合は、給与水準が若干下がる可能性も考慮に入れる必要があります。
- 業務内容重視の場合
特定の技術やプロジェクトに深く関わりたい場合は、企業の事業内容や技術開発の方針をしっかりと見極めることが重要です。
求人ありきで選択肢を絞るのではなく、あなたのこれまでのご経験を棚卸しし、その経験を活かして何を一番実現したいのかを明確にすることで、希望を満たせる企業を逆引き的に選んでいく方法も非常に有効です。
4. 「定年」の概念と再雇用制度
ミドル層以上の転職では、入社後のキャリアプランに加え、定年とその後の働き方についても考慮に入れることが重要です。
- 企業の定年制度
各企業によって定年の年齢は異なります。近年は65歳定年が一般的になりつつありますが、企業によってはさらに延長されているケースや、再雇用制度が充実している場合もあります。
- 再雇用制度
定年後も引き続き勤務できる「再雇用制度」を設けている企業がほとんどです。これにより、長く活躍できる環境が提供されます。
- 給与の減少
ただし、再雇用後の給与については、定年前よりも減少するケースが多くなります。この点も踏まえて、長期的なライフプランを考える必要があるでしょう。